常用薬をたまたま職場近くの薬局で買ったところ、値段が違ってビックリしました。 明細書をよく見ると、薬自体の価格以外に「調剤技術料」と「薬学管理料」という間接費が含まれいます。 薬自体は薬価基準に従い同額ですが、間接費は場所や買い方で価格が異なります。 試算したところ、店と買い方を替えるだけで、常用薬の購入費が年間6千円強節約できることがわかりました。
薬は全く一緒なのに、年間6千円強の違いは大きいな
常用薬の値段
血圧が高くなってきたので、ここ数年降圧剤を毎日服用しています。 薬の種類や量が、その時々の症状次第で異なることもあり、これまで薬の値段を気にしてませんでした。
先日たまたま、いつも利用している自宅近くの薬局でなく、職場近くの薬局で購入したところ、「同じ薬なのに値段が違う」ことに気が付きました。 自宅近くの薬局では30日分1,570円に対し、職場近くの薬局では60日分と倍の量でも2,100円でした。
「調剤明細書」を確認すると、薬自体の価格「薬剤料」は30日分で270点、60日分で540点、どちらも1日分当り9点と同額ですが、「調剤技術料」が全く異なっていました。
調剤明細書の内訳
処方箋を出して薬局で薬を買うと「調剤明細書」がもらえます。 明細書では、3つの分野の点数が記載されており、薬の値段の細目がわかります。 代金は1点10円の換算で請求され、私の場合は、自己負担3割です。
- 調剤技術料
- 薬学管理料
- 薬剤料
調剤技術料
様々な機能を備えた薬局に対する費用。 「調剤基本料」と「薬剤調整料」で構成されています。
調剤基本料
薬局ごとに定められている「調剤基本料」は、薬局の立地や処方箋の受付回数等によって点数が異なります。 売上が少ない街中の小さな薬局は点数が高く、売上が多いチェーン店は点数が低く設定されています。
また、薬局によっては、「地域支援体制加算」「後発医薬品調剤体制加算」も加わっています。 詳細は、調剤報酬点数表(令和4年4月1日施行)に定められています。
チェーン店など繁盛している薬局で買えば、
安く薬を買えるな
薬剤調整料
薬の調剤に対する点数、内服薬、頓服薬、浸煎薬など薬の種類ごとに点数が定められている。 薬によって一律決まっています。
薬学管理料
薬剤師が患者の薬歴の管理や記録、情報提供するための費用。 「内服薬調剤管理料」「服薬管理指導料」「電子的保健医療情報活用加算」等で構成されています。
内服薬調剤管理料
処方箋受付1回につき、薬剤服用歴の記録・管理の点数。 内服薬では処方する薬の日数ごとに定められていいます。
内服薬の要件 | 点数 |
7日分以下 | 4点 |
8~14日分 | 28点 |
15~28日分 | 50点 |
29日分以上 | 60点 |
1か月欲しい場合は28日分、
継続服用が決まっているなら2か月以上貰うのがお得
服薬管理指導料
処方箋受付1回につき、薬剤情報提供・服薬指導の点数。 お薬手帳を持って3か月以内に再度訪れれば14点安くなります。
主な要件 | 点数 |
3カ月以内の再調剤(手帳による情報提供あり) | 45点 |
上記以外 | 59点 |
どの薬局でも「血圧はいくつですか」と聞くのは、
服薬指導料をとるためやったんやな。
電子的保健医療情報活用加算
オンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報または特定検診情報等を取得し、当該情報を活用して調剤等を実施することに係る点数。
主な要件 | 点数 |
オンライン資格確認システムを導入、薬剤情報等を取得 | 3点 |
薬剤情報等が取得困難 | 1点 |
薬剤料
薬価基準で定められている薬そのものの費用。 ジェネリック医薬品があれば安くなりますが、私が服用しているアジルバは今のところ発売されていません。
ジェネリック医薬品は新薬の特許が切れた後に製造販売されるお薬で、新薬と同じ有効成分で作られ、・・・開発にかかる期間が新薬と比べて短い分、費用が安くて済むため価格を安くすることができます。
引用:沢井製薬HP
薬が安く買える薬局
お客さんが一杯いるチェーン店が安いです、薬局ごとに定められている「調剤基本料」が16点の薬局もあります。 一方、近所の小さな薬局で、「地域支援体制加算」「後発医薬品調剤体制加算」が加わると109点になり、93点(930円)も違います。
薬を安く買う方法
一度に多く購入
薬の値段は、薬本体の値段と間接費(お店の維持費や記録管理費など)となっており、間接費は、薬の量によらず薬を1回だしてもらうたびにかかる費用です。 1か月分を2回に分けて買うより、2か月分まとめて1回で買えば、間接費が半分になります。
お薬手帳を持って、同じ薬局に行く
「お薬手帳を持って同じ薬局」に行く場合は45点、行かない場合は59点、と14点(140円)服薬管理指導料が異なります。
クレジットカード、Tポイントカードを使う
いまではほとんどの薬局でクレジットカードが使えます。 Tポイントカードも使える薬局が多くなっています。 微々たる金額ですが、塵も積もれば山となります。
ポイント | 2000円支払いの場合 | |
クレジットカード | 1% | 20円 |
Tポイント | 0.5% | 10円 |
薬が安く買えるか検証
どれぐらい費用節約できるのは、降圧剤(アジルバ錠10mg)を例に試算します。
- (基本ケース) 近くの小さな薬局で、1か月分づつ2回買った場合
- (節約ケース) チェーン店で、2か月分をまとめて買った場合(お薬手帳・カードあり)
基本ケースでは約3,100円、節約ケースでは約2,000円と、2か月分で1,110円、年間に換算すると6千円強も差が付くことが分かりました。
値段 | 備考 | |
調剤基本料 | 2,660 | 2回分 |
薬学管理料 | 2,400 | 2回分 |
薬剤料 | 5,400 | 60日分 |
薬代総額 | 3,138 | 3割負担 |
クレカ | ー | 使用せず |
Tポイント | ー | 使用せず |
総支払額 | 3,138 |
値段 | 備考 | |
調剤基本料 | 400 | 1回分 |
薬学管理料 | 1,060 | 1回分 |
薬剤料 | 5,400 | 60日分 |
薬代総額 | 2,058 | 3割負担 |
クレカ | ▲20 | 1%還元 |
Tポイント | ▲10 | 0.5%還元 |
総支払額 | 2,028 |
おわりに
なんとなくの常識で、薬は本と同様定価販売と思い込んでいましたが、本もポイントや電子書籍の普及で、買い方次第で値段が異なってきましたが、薬も薬局や買い方次第で値段が替わることがわかりました。
余談ですが、点眼液など単価が安いものは、点眼液が400円(40点)に対して間接費(調剤技術料・薬学管理料)が1900円(190点)と4倍もかかっており、店選び買い方が値段に大きく影響します。
本も薬も工夫次第で、一般的な値段より安く買える時代やな
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